Table of Contents
ご挨拶
こんにちは、佐久間蒼乃です。この記事はきんととさん主催のまっ会アドベントカレンダー2025に向けて執筆されています。
前日の担当は一五○(いついそ)もと/150万画素(がそさん)さんの「lilToonちょっとした小技集【おもにVRoid向け】」、明日の担当はぽいなぁさんの「今年1年分の改変を振り返る(予定)」(※記事投稿されたらリンク追加します)です。
今回はVRoidでキャラクターを作る際に抑えておきたい、基本的な形状の作り方をまとめてみました。この辺りの形状を網羅しておけば、あれこれ応用して頭部の形は大体作れると考えております。
なお今回の記事はざっくりとメモを描き示した物になりますので、詳細な作り方は割愛させて頂きます。
記事で使っている検証テクスチャ
以前自分で使う用に作った格子状のテクスチャです。位置合わせにどうぞ。
https://sky-blue.booth.pm/items/1753671
髪と帽子などのアクセサリーとの比較
VRoidで頭の飾り形状を作るには、おおよそ以下の方法に分けられます。それぞれの利点は次の通りですので、作り方が複数ある形状については状況に合わせて作るのが良いと思われます。
頭部のアクセサリーで作る
メリット
- ひだやつばなどの立体的な造形を作りやすい
- シンプルな造形であれば、髪よりは綺麗な造形にしやすい
- 解像度を維持しやすい
デメリット
- 予め決められているパラメータで作ることができる造形に限られる
- 比較的最近のVRoid studioでしか使用できない
- アイテムとして配布する際、ユーザーに多数のパラメータ入力や位置の微調整の作業を強いることになる(いつか改善するといいな…)
髪で作る(従来の作り方)
メリット
- アクセサリー機能のなかったベータ版からある手法の為、何らかの事情(社内のライセンス管理上、完全にcc0ライセンスの素体を使いたい・永らくメンテナンスが行われていない古いソフトを使う必要がある等)でベータ版を使いたいシーンにも対応しやすい
- 造形の自由度は高い
- 揺れものボーンを仕込むことができるので、一部が揺れるものを作りたい時はマスト
- 髪型アイテム扱いとして配布ができるため、ユーザーによる装着がとても簡単
- ハイライト用のテクスチャを使う事で、暗闇で光るアイテムも制作できる
デメリット
- ベータ版ではガイドの移動は使えないので、やや操作性に難あり
- メッシュ当たりのテクスチャの解像度が落ちやすい(極端に横幅を伸ばすと、解像度が足りなくなりやすい)
- 髪の毛自体のテクスチャの大きさはそんなに大きくない(512×1024)
実例
三日月(髪)
シンプルに三角形か、ひし形の髪で円を描いて、やんわり真ん中を太くしつつ両端を細くすればOK。基本的な形ですが、一応。
画像のような形を作る場合真ん中の太い部分がグチャッとなりやすいので、制御点の位置や太さのグラフを頑張って微調整してください。

立方体(髪)
ごく短く描いたひし形の髪の太さ、厚さを同じ比率にします。ただし、両端には単色しか乗せられないデメリットも。

八面体、立方体(髪)
この形を見ると、星のカービィ64のリボンがもってるクリスタルっぽいなーと思います。
この形はひし形の髪でサクッと作れます。立方体は太さ厚さがすべて均一、八面体は立方体の両端がそれぞれ1つの頂点にまとまった形です。そして髪の毛を描くときに滑らかさを最大限下げると、これ以上曲げられなくなってこの形になります。
因みに、滑らかな状態だとラグビーボールみたいな形になります。

三角錐、四角錐(髪)
三角錐とは、底が三角形でその上の頂点が一つになっている物。四角錐は底が四角形になっているものです。
つまり、それぞれ「三角形」「ひし形」の髪の毛の太さのパラメータをこの形にすれば作れますね。
円板(メガネ)
今となっては少々無理のあるシリーズその1。丸いメガネのレンズを切り出す方法(画像の赤い円盤)。
この方法は質感が艶々しているので、薄い缶バッヂ?を作る用途なら今でも使えるかも…?

輪っか(髪)
今となっては少々無理のあるシリーズその2。三角形の髪の毛を頭にぐるりと一周させて、強めに厚みをつけます。側面に模様をつけることも可能ですがテクスチャが伸びる事を考慮して描く必要があるのと、ピタリと継ぎ目を合わせるのがかなり手間なのが弱点。
髪の毛をぐるりと一周するときは、最初に短く描いたあと束を選択し、「修正(絆創膏アイコン)」で上からなぞるように伸ばしていくほうが描きやすいかもしれません。一周できたら「制御点」で微調整します。

ベータ版から使われる古の方法。
当店のキャノチェをこの方法で作って間もなく、VRoidのアクセサリーに帽子が追加され旧式の作り方になりました。
ただし、こちらは単に真っ直ぐではない造形をしたい場合(エフェクトやチェーンなど)には今でも使えると思います。
円板(髪)
今となっては少々無理のあるシリーズその3。
直線の髪で作った大きな板に、円板の画像を貼り付けます。ガイドは拡大縮小で上下方向を完全に潰して真っ平らにします。
この方法のミソは、滑らかさを最大限無くすことと、両端の制御点はそれぞれ2点にして角度をまっすぐに整える事です。テクスチャを作る時は縦に潰した円を描きますが、線画を均一な線で描かないように注意(という先に正円で描いてからレイヤー統合→変形した方が綺麗です)。
当店のキャノチェをこの方法で作って間もなく、VRoidのアクセサリーに帽子が追加され旧式の作り方になりました(再放送)


円柱(髪)
今となっては少々無理のあるシリーズその4。
輪っか(髪)の作り方の派生で、断面を直線に変更するだけです。すでに輪っかを作っているのであれば、輪っかを複製して髪の断面や太さ、上下方向に位置調整すればよいでしょう。
したがって、当店の(以下略)

円板、輪っか(帽子)
帽子のパラメータでシルクハットを作って、トップの部分を切り出してしまうのが確実でしょう。輪っかなら帽子で周りの唾を切り出すのがいいでしょう。解像感も保持できますので細かい模様も入れやすいです。帽子には裏地や厚みがあるので、おおよそ下半分と上の帯を消してしまえばいいです(サンプルでは消し忘れましたが、つばの縁にも厚みがあるので忘れずに消しましょう)

チェーン
この前Xでポストしたやり方です。ひし形と三角形のそれぞれの面を上手いこと立体交差させるのがコツ。

ベル1(髪)
過去にvtuber案件でアリエスさんを作った時の方法。
太さの違うひし形髪を重ねています。
帽子でお役御免と思いきや、髪なのでボーンを仕込んで中の軸や外側を揺らす事ができるメリットがあります。小さいサイズならこの方法がいいでしょう。
ちなみに下側を開けたいとき、テクスチャの下側だけでなく上もちょっと削らないとうまく穴があかないので注意。


ベル2(帽子)
頭が丸い帽子(ハット)がまんまソレです。かなり大きなサイズのベルを付けているキャラでしたらこちらの方が滑らかです。必要に応じて中の軸や飾りを髪で作るといいでしょう。

この記事を見た方にプレゼント
えー、実は今回エントリー時に2つ部門があるのに気づかず、「通常部門」に応募し忘れていたと勘違いして、間違えて「プレゼント部門」にも同時応募していたことに前日気が付きました…!ごめんなさい。
とはいえ今更変える訳にもいかないので、この記事で作った形のサンプルをこちらに置いておきます。制作するタイプの人しか役に立たんタイプのプレゼントになってしまいましたが、なにかの役に立てていただければと存じます。
https://sky-blue.booth.pm/items/7788923
余談 帽子を複数使ったときの挙動
サンプル作っているときに気が付きましたが、初期設定の女の子モデルに対して帽子を複数表示すると、なぜかリムライトが歪む現象が起きました。
もしサンプルをダウンロードした人のうちのお暇な方、私以外の環境でも発生するかどうか私に報告いただけたら嬉しいです。(おま環じゃなさそうなら、資料まとめてVRoid公式にも報告しようと思います)
私の環境は次のとおりです。
Steam版 VRoid Studio 2.7.0
Windows11 Home 24H2
NVIDIA Studio Driver v576.02
使っているパソコン自体のスペックについてはこちらのページで。


コメントを残す