Table of Contents
初めに
第4回のサンプルデータはこちらになります。
https://sky-blue.booth.pm/items/1175487
雑談
今回やることと前回の復習
使用するソフト
VRoid Studio v0.5.4-win
手書きヘアとは?
手で書くように造形ができる、手描きヘア
手書きヘアとは、「VRoid上で髪の毛を作る方法」の一つです。こちらはプロシージャルヘアとは違い、ペンタブレットやマウスで「実際に網状のガイドに描く」形で髪の毛を作れます。ペンタブレットを使える環境があるならば、かなり直感的に髪型を作成できます。
また「プロシージャルヘア」とは違い、一度描いた髪の毛を「制御点」ツールで動かすことが可能です。つまり、修正が行いやすいです。仮に制御点が多くなりすぎていても「S」キーで制御点を減らすことができます。
手書きヘアとプロシージャルヘアは使いよう
ただし、プロシージャルヘアと違って「規則正しい並びの髪の毛を作るのは苦手」です。規則正しい並びの髪の毛を作れないことはないのですが、それでもマウスしか使えない環境の方はやりづらいかもしれません。
ですので、私個人としてはこのような使い分けをすると作業がはかどりやすいかな、という考えを載せておきます。
- キレイに並べたい後ろ髪やつむじ、ぱっつん前髪はプロシージャルヘアで作る。
- ポニーテールやぱっつんではない前髪、横髪、癖のある髪の毛は手書きヘアで作る。(基本的に複数パーツにわけて作ると、修正が行いやすいです。)
手書きヘアで髪を作る
今回作る髪型
今回作る髪型は2つです。
- ポニーテール
- ツインテール
通常の髪型なら、まず後ろ髪から作ったほうが効率はいいです。しかし今回は「元からついている後ろ髪テクスチャを活かして造形が可能」なので、後ろ髪の作成を省略します。
もしも気になるようでしたら「プロシージャルヘア」を使って後ろ髪を作るのもいいでしょう。
手描きヘアの追加のしかた
まずVRoidStudioを起動し、新規作成をして性別の選択を終えてください。その後、メインの画面に入りますので、「髪型編集」タブをクリックします。
これで、髪の毛のガイドが追加されました。
いままでプロシージャルヘアを使っていたときとは違い、髪の毛のポリゴンが一切ありません。手描きヘアはここから自分で髪の毛を植えていく機能なのです。
さて、先程の項で手描きガイドを追加しました。ありがたいことに、後頭部から全面に向けてガイドの形が沿うように整形されています。しかし、このままではガイドの形を変形させるのは少し不便です。
そこで、ポニーテールを作る前に少し下準備を行います。「手描きグループ」の「ガイドパラメータ」の中の「頭に沿わせる(前後)」の値を0にします。
これで、ガイドの変形が格段に行いやすくなります。
今回のように本来の頭の形から外れた髪型を作る際には、ぜひ覚えておきましょう。
〇〇テールごとの作り方
頭の後ろにくっつけるだけ!ポニーテールを作ろう
ポニーテールを作るには、まずガイドを変形させる必要があります。
最初に、ガイドの高さを増やします。この数字はお好みで構いません。ここでは0.57に設定しました。
そして、緑色の制御点を動かし、概ね下の画像のような形にします。この時、付け根になる部分は少し頭に食い込ませておきましょう。マウスの右ボタンを押しながら動かすとモデルの回転ができます。色んな角度から見て調整しましょう。
ブラシを選択します。
ブラシを利用して、網目状のガイドに髪の毛を描いてみましょう。髪の毛を描くときは「上から下方向に向かって描くこと」を意識したほうが良いです。今回はポニーテールを作りますので、髪の毛が後頭部に少し埋まるぐらいの位置から下に向かって引いていきます。
そして、同じ様に髪の毛の太さや厚さを変えつつ、髪の毛を数本描きます。もしも、この時点で髪の毛が後頭部から出てしまった場合は、選択ツールを用いて制御点を動かして頭の中に根本を埋めましょう。
これで、簡易的なポニーテールができました。髪の毛の太さに不満がある場合は選択ツールで髪の毛を選択し、ヘアパラメータを適宜変更します。
拘りたい方は、更にガイドを追加して後ろ髪も作ってみましょう。
更にガイドを追加して前髪も作ります。ガイドの操作方法や髪の毛の描き方は同じですので、説明を省略させていただきます。
髪の毛を作るときに覚えておきたい、2つのミラーの説明
髪の毛を作るにあたって、絶対に覚えておきたいミラーの機能があります。一つは「片方だけ描いて、あとから複製反転させるやり方」、もう一つは「ミラーリング機能を使う」です。特に左右対称の部分が多いキャラクターだと作業量が半減する上、キレイに左右対称になります。
この2つは似ているようですが、状況に応じて使い分けるといいでしょう。
片方だけ描いて、あとで複製反転するやり方
これの利点は「あとから左右対称の髪型を作れる」、つまり「プロシージャルヘアみたいに片方しか作れなかったものを左右反転させたり、単純にミラーリングの設定を忘れた場合に対応できる」ってとこだな。ただし、描いてもすぐに反対側に描かれるわけではないから、左右反転したときの様子がすぐに見られないところが不便といえば不便かな?
プロシージャルでも反転複製を使いたいときとか、うっかりミラーリングで作業するのを忘れてしまったときも、これでリカバーできるぞ。
手描きヘアを変換する必要がない以外は、第1回の「コピー、反転して横髪も作ろう」の方法と同じです。ですので、今回は説明を省略させていただきます。
(公式サイトに「ツインテールの作り方」が載っていますので、こちらも参考にすると良いでしょう。公式サイトはこちらのやり方で作っています。)
ミラーリング機能を使う
だけど、「髪の毛を削除(ctrl+delete)」だけは、左右同時に反映されないんだ。だから、状況によっては「片方だけ描いて、あとで複製して左右反転するやり方」のほうが修正しやすいってとこだな。
VRoid上でミラーリング機能を使いたいときは、「ミラーリング」ボタンをクリックします。
ミラーリングで一気にツインテールをつくろう
ポニーテールと同じような要領で、ツインテールも作りましょう。
選択ツールを選んだ状態で手描きヘアを追加し、「ミラーリング」を有効にした状態で以下のようにガイドを作ってください。ポニーテールと同じく、根本は頭にめり込ませておきます。
そして、ブラシツールで髪の毛を描いていきます。すると…
こんな感じで一気に髪の毛を追加することができます。あとはブラシの大きさを変えつつ髪の毛を追加してください。
これとは別に手描きヘアのガイドを追加し、前髪や横髪も完成させましょう。
揺れボーンをつけて、完成!
ここでは簡単に説明をすることにいたします。ポニーテールもツインテールもやり方は同じです。
詳細な髪の毛の揺らし方は、過去記事の「【VRoidで髪の毛作って揺らしたい!】第2回/トゲトゲ髪の毛を柔らかサラ髪へ!髪揺れ設定をしよう」を参照してください。
揺らしたい房(クリックで複数選択可)を、ビューからクリックして選択します。
ビューで選択しにくい場合は、左側の「ボーン未設定」の一覧からチェックを入れる方法でも指定できます。
髪の毛を選択し終えたら、「ボーングループを作成」をクリック。
そして、他の髪も同様に分けて設定します。
パラメータ設定については、この記事では省略させていただきます。
おまけ。猫耳も付けられるかも…?
獣耳をはやしたい場合は、ミラーリングした状態で、手描きガイドを作ります。ただし、奥行方向に制御点を動かしたい場合は一旦ミラーリングを切ってから動かします(ミラーリングを切らないと奥行方向に動かせません。)
そして、「太さ0.05のブラシ」で耳となる部分を描きます。
ガイドの制御点を動かしたり、制御点ツールで髪の毛の位置を調整したりして、耳の形を作ります。
そして、第3回の方法で色を分けて完成です。髪をマテリアルを増やして分けると、髪とは別にテクスチャを割り当てられるようになるので自由度が高まります。アクセサリーなんかも作れますよ。
まとめ
今回やったことは、「手描きガイドを追加する方法」「反転コピーする2つの方法の使い分け」「手描きガイドで実際に髪の毛を植える方法」「ツインテールのように左右対称にしたい髪の毛の作り方」です。
今回までにやったことを踏まえて、ストレートヘアやどこかしら結んだヘアを作れるようになったのではないでしょうか。
ところで、くせっ毛のある髪の毛って、ガイドが少ない状態だと結構難しいのです。今まではデータ管理で混乱することも避けるという理由もあって、あまりガイドを増やさない方針で進めていました。しかし、ガイドには名前を付けてわかりやすくする機能があります。
次次回以降からはちょっと難しくなりますが、VRoid公式のモデルで言うと桜田 史利矢くんみたいな、わっしゃーとした髪の毛とか、先っちょくるりんなツインドリル、アホ毛、あとテクスチャいじってカチューシャとか作るアイデアを順次記事にまとめていこうかなーと思います。
次回予告
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関連リンク:
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